Story 03
Before The Sun Rises
日が昇る前に
代々漁を営んできた、ある家族。三代目にあたる彼は、毎朝三時に起き、日の出前に船を出します。「海が一番穏やかなのは、この時間なんだ」と、彼は静かに語ります。
祖父の代から受け継がれてきた漁場は、地図には載っていません。潮の流れ、風向き、月の満ち欠け。すべてを体で覚え、次の世代へと伝えていくのが彼の役目です。
近年、漁獲量は少しずつ減少しているといいます。それでも彼は、獲りすぎないこと、海を休ませることを大切にしながら、この仕事を続けています。
「海は嘘をつかない。手をかけた分だけ、ちゃんと応えてくれる」。岩壁に朝霧がかかる中、静かにそう語った彼の言葉が、今も心に残っています。
